感情論ではなく論理的に相手を説得する技術を身につける

国際関係史ゼミ 青野利彦教授

 ゼミのテーマは国際関係史。それは、国と国、政府と政府の関係だけでは見えてこない、各国の国内政治の動向や経済、技術、社会的要因なども含まれてきます。
 ゼミ生は4年生が6人、3年生が6人の計12人。今年度はMARTIN WALKERの『THE COLD WAR』を毎週1章ずつ読んでいます。英語のテキストを利用しているのは、国際関係史分野では、欧米の研究書に視点がユニークで面白いモノが多いからです。また、学生のうちにグローバル言語である英語への抵抗を少なくしたいという理由もあります。
 学生には、毎回テキストを読んで感じた疑問と、自分が考える解答をA4判の用紙2枚程度にまとめて持ってきてもらいます。意見を述べる際には、その理屈を伝え論拠となる証拠をもとに、感情的にならず論理的に説得することが重要です。物事にはいろいろな側面がありますから、立場が違えば受け止め方が違ってきます。一つの現象を多面的に見ることの重要性を実感してもらいたいと思っています。
 こうして物事を批判的に見たり、疑問を持ち証拠を集めて自分なりの解答を見いだす習慣が身につき、物事を俯瞰して見ることができるようになれば、社会的な偏見にとらわれることもなくなるでしょう。
 さらに、英語で読むことに加え、文章でも論理的に相手を説得できるように訓練します。ゼミの2年間で、論理的かつ客観的に考えることを習慣化し、口頭および文章でも自分の考えを相手に伝え、相手を説得できる技術を身につける。その延長線上に卒論があるのです。(談)

 

 

HQ vol.33より転載