自分の力で考えられるようになるために

民法(家族) 石綿はる美准教授

 私は主として家族法を専門に研究しており、民法(家族)をはじめとする民法の講義とゼミナールを担当しています。民法は、家を借りる賃貸借契約の話や、土地や建物といった物に対して誰がどのような権利を有するかという話、そして婚姻・離婚や親子関係といった家族に関わる話など、皆さんの身近にある問題を扱います。講義では、短い事例をもとにしながら、問題を解決するための道筋を考えていきます。

 

 法律学は、決して、六法全書を暗記し、杓子定規に条文を適用するものではなく、何か問題が生じた場合に、条文という紛争解決のルールをどう解釈して適用するかを考える学問です。大学での学びに共通することですが、正解があるわけではなく、大切なのは結論を導く過程です。学問を通して身につけた思考力は、法律の専門家になる方はもちろん、すべての方の将来にとって大きな財産になると考えています。はじめは、まるで外国語のように見える法律用語に戸惑ったり、抽象度の高い議論についていけないと感じたりすることもあるかもしれません。しかし、少しでも学生の皆さんに、法律学に興味をもち、法律学を面白いと感じてもらえるように、講義やゼミでは最近の話題を取り上げたりもしながら、工夫をしていきます。

 

 

一橋大学WebマガジンHQ掲載の石綿先生のインタビュー記事が掲載されています。
「家族のあり方の変化に対応する家族法」(2021年7月1日)