中国から独占禁止法の研究に来て

Wさん(民間企業就職)

 

 私が日本への留学を選択したのは2つの理由によります。1つは、日本語と日本の文化への興味です。高校時代、第二外国語科目に日本語を選択して勉強するうちに、日本の文化についても興味が増し、もっと理解したいと考えるようになりました。2つ目の理由は、日本のより優れた知識を習得したいと考えたからです。特に私は、法律と国際貿易について強い関心が持っていました。近年、中国の経済は発展していますが、急速な成長に伴って、さまざまな経済の問題と貿易上のトラブルが発生しています。そこで、私は、中国にはより先進的な法律システムが必要だと思い、各方面で中国より先進的な日本へ留学することを決意しました。
 一橋大学大学院へ進学したのは、さらに深く研究したいと考えるに至った独占禁止法の研究環境があったためです。大学院における授業では主に、独占禁止法と会社法と国際取引法を中心に勉強しました。修士課程での授業数は学部生のそれほど多くはないものですが、例えば週3・4回の発表など、個々の授業の重みはかなり違います。タイムマネジメントに努めながら、それらの授業で様々な問題を検討するのと並行して、自分の研究テーマである独占禁止法の域外適用に関する研究にも専念しました。
 大学院へ進学すると同時に修了後は日本で就職しようと決めました。日本で学んだ知識や経験を活かしたいということと、日本への恩返しの気持ちもあったためです。修士課程1年次の夏には、日本での就職の意思を指導教員の先生に報告し、その後多くのご支援とご助言を頂きました。また、大学のキャリア支援室の方々からも、日本における就職活動の方法につき多くの情報を頂き、結果、無事希望の職を得ることができました。
 将来は、修士課程において学んだことを活かし、日本だけではなく、海外でも活躍していきたいと考えています。