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大学院法学研究科法学部

一橋大学法学研究科法科大学院

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平成28年司法試験の結果を受けて


 平成28年司法試験の合格者発表が9月6日にありました。

 本年度の司法試験受験者は全体で6,899名であり,昨年より1,117人減少しました。
 全体の合格者数は1,583名で,昨年の1,850名より267名減少しています。受験者に対する合格率は23.0%(小数第2位で四捨五入,以下同じ)ですが,昨年は23.1パーセントでしたから,昨年度とほぼ同じです。
 予備試験合格者は,382名が受験し235名が合格したので合格率は61.5%で,法科大学院中第1位の(一橋大学法科大学院の)合格率49.6%をやや上回っています。
 合格者の減少は憂慮すべき問題です。政府の方針が変わって「1500名以上」を目標とすることになったからでしょう。また、今年度は、考査委員に現役の法科大学院教員が参加していないことも関係するかも知れません。しかし、法曹志願者が減少している中、これが、さらに、減少傾向に拍車をかけることにならないことを希望します。

 一橋大学法科大学院の(今年の)修了生は,出願者134名,受験者127名,短答式合格者103名,最終合格者63名(既修者50名,未修者13名)という成績でした。受験者に対する合格者の割合は49.6%(既修者61.7%,未修者28.3%)ですが,昨年は55.6%(既修者63.0%,未修者42.0%)でしたから,既修者はほぼ同じ,未修者は昨年度より下がっています。なお,直近の平成27年度修了者についてみると,既修者については,受験者56人に対し合格者42人(合格率75.0%),未修者については,受験者21名に対し合格者8名(同38.1%)でした。

 一橋大学法科大学院の修了生は,本年度の司法試験でも健闘し,対受験者合格率では,総合については全法科大学院中で第1位の成績となりました。修了生諸君の努力に対し,一橋大学法科大学院の教職員を代表して,敬意を表します。

 まず,合格されたみなさんには,日々のみなさんのたゆまぬ努力が実を結んだことに心からお祝いを申し上げます。ただ,みなさんはまだ法律家として出発点に立っただけであることも忘れないで下さい。今一度,法律家の役割と責任とは何か,そして自分たちはいったい何のために法律家になるのか,法律家になって何を実現しようとするのかを問い直し,決意を新たにして法律家としての長い道を歩んでほしいと思います。一橋大学法科大学院でみなさんが学んだことは,むしろ,これから役に立つでしょう。みなさんが,今後,社会の各分野において,法に関係する指導的役割を担うことのできる法律家になられることを心より願っております。

 次に,残念ながら今回は不本意な結果に終わった方々にも,もう一度,法律家を志した初心を振り返ってほしいと思います。なぜ法律家を目指すのか,法律家になって何を実現しようとしたのかを思い出して,今後のことを考えてください。みなさんのこれまでの努力は,決して無駄ではありません。一橋大学法科大学院は,修了生についてもさまざまな形の支援を行ってきましたし,今後も支援を続けます。何かあったときは,一人で抱え込まないで,遠慮なくわたしたちにご相談下さい。わたしたちが,常にみなさんの傍にいることを忘れないでほしいと思います。

 最後に,直接・間接に学生を支援してくださった関係者の方々にも厚くお礼を申し上げます。みなさんの厚いご支援のおかげで今回の結果を得ることができました。本当にありがとうございます。
 現在,法科大学院を中心とする法曹養成制度のあり方については批判も多く,さまざまな形での見直しが検討されております。一橋大学法科大学院も種々の努力を重ねており,例えば,文科省の加算プログラムでは未修者教育の充実等で高い評価を得ることができ,また,共通到達度試験の試行などの改革にも取り組んでいます。今回の司法試験の結果は,みなさんのご支援の賜物であると伴に,このような努力の結果でもあると自負しています。しかし,まだまだ直すべき点も多いかと思いますし,また,前述しましたような法曹志願者自体の減少という深刻な問題もあります。これからも,一橋大学法科大学院は,チャレンジする法科大学院として,教育方法などについて改善を重ねながら,善き法律家の養成になお一層精進してまいります。今後とも,広く,みなさまのご理解,ご協力をいただければ,幸いに存じます。

2016年9月7日

一橋大学法科大学院長 滝沢昌彦