刑事弁護人の役割と倫理
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一橋大学
大学院法学研究科
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研究の目的
 

 本研究は、刑事事件の依頼者を代理する弁護士が実務上直面する倫理的な難問に対し理論的な観点から解決の道筋を与えるために、刑事弁護人の地位と役割につき、諸外国の法曹倫理規定及び運用の実情調査をふまえ、我が国の刑事司法制度(将来の裁判員制度を含む。)の下における刑事弁護人のあるべき姿を多面的に明らかにしようとするものである。同時に、全国各地のロースクールの刑事法ないし刑事実務科目を担当する研究者及び実務家教員が本研究を分担することにより、新たな法曹養成課程における『法曹倫理』教育の場に確かな理論的基礎と実践的示唆を提供し、ロースクールが目指す「実務と理論の架け橋」を刑事法の分野において実現することを目的とする。

平成18年度・研究実施計画

 平成18年度は、17年度に収集した資料及び各種文献その他の情報に基づき、以下の研究計画を実施した。

(1)
研究分担者が、各自設定した特定の課題(役割分担参照)につき、本格的な調査研究を実施する。
(2)
分担研究者全員の出席する全国研究会(「刑事弁護倫理研究会」と呼称する。年3回の開催を予定。)としては、昨年度、同研究会の検討素材として取り上げた刑事弁護人に対する懲戒請求事件2件について、その後の懲戒手続の展開過程を追跡するとともに、諸外国との同種事案との比較を行い、十分に解明されていない理論上の問題点につき、同研究会としての一応の回答を示すことを目指す。
(3)
昨年度の事業において完成できなかった収集資料のデータ・ベース化及び必要な外国資料の翻訳を行う。
(4)
刑事弁護人の倫理が問われる懲戒請求事件等が新たに発生した場合には、現地での聞き取り調査を実施したうえで、全国研究会の共同討議に付する。(新件がない場合には、データ・ベースに基づき過去の懲戒事例ないしケースブックを素材とする。)
(5)
海外調査としては、アメリカ合衆国のロースクールにおける法曹倫理教育の実情視察、及び刑事弁護人の行為規範に関する情報収集に焦点をあわせた調査を行う。  
 
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