敷島千鶴「社会的態度個人差に寄与する遺伝と環境 ―行動遺伝学的アプローチを用いて―」
報告要旨:
現代社会では個人中心の契約的社会体制を想定したリベラルな考え方が強い影響力を持つが、本報告ではそのリベラリズムを一方に、それに対比される保守主義的、権威主義的、あるいは愛国主義的態度をもう片方に仮定した心理的次元を個人の量的な形質として捉え、その個人差をもたらす要因について実証的検討を行う。
調査データは種々の社会的事象や社会的価値についての賛成、反対についての回答を、青少年期、成人期の双生児男女から収集し、分析には行動遺伝学の統計学的方法を用いることによって、形質の背後に寄与する遺伝と環境の影響を推定した。社会的、政治的態度個人差の原因論とそのメカニズム、そしてそれらが解明されることによる社会的含意について考察する。
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