ディベート教育による新時代のリーダー育成

 

ディベート教育による新時代のリーダー育成

「ディベート教育による新時代のリーダー育成」プログラムは、本研究科の法学・国際関係専攻(修士課程及び博士後期課程)の学生に対して「討論」及び「交渉」に係る高度の技能・能力を修得させることにより、本研究科におけるこれまでの大学院教育の実質化に向けた取組をさらに発展・充実させることを目的としている。

 

 

 本研究科の法学・国際関係専攻では、従来から大学院教育の実質化を進めており、修士及び博士の学位取得プロセスを整備している。これにより、本研究科においては、毎年、多数の学位取得者を出している。また、本研究科では、21世紀COEプロジェクト「ヨーロッパの革新的研究拠点」において、博士後期課程在学者及び博士の学位取得者をCOEフェローとして採用し、同プロジェクトの各種の研究企画に積極的に参加させているほか、在学者をTA・RAとして採用し(毎年20名程度)、博士の学位取得者を本研究科の講師(ジュニア・フェロー)として採用する(毎年4名程度)等の施策により、それぞれの研究の深化を促すとともに、ジュニア・フェローに法学部1年次生向けのゼミナールを担当させて教育の現場での経験を積ませることとしている。さらに、本研究科においては、「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」に採択された「日欧交信型法学研究者養成プログラム」を平成17年度に導入している。同プログラムでは、博士後期課程在学者を対象として、主としてヨーロッパ諸国における法学の研究成果を精確に「受信」するとともに、外国語(特に英語)によって自らの研究成果を的確に「発信」するための高度な能力の修得を目的として、英語による授業を新設するとともに、博士後期課程在学者及び教員に対して積極的に海外研修を行わせる等の施策を実行してきた。
 「ディベート教育による新時代のリーダー育成」プログラムは、これら本研究科の従来の取組の成果を踏まえ、修士課程及び博士後期課程在学者ならびに学位取得者の能力・資質をさらに引き上げて、世界に通用する法学及び国際関係論の研究者と、それらの分野における高度に専門的な職業人を養成することを目指すものである。
 本研究科の法学・国際関係専攻は、研究者となることを希望する者のほか、高度な専門的知識を有する専門家・実務家となることを希望する者も積極的に受け入れているが、これからの研究者及び高度に専門的な職業人にとっては、それぞれの専門分野における自らの研究成果を踏まえて、「発信」を行うとともに、的確な「討論」及び「交渉」を行うことが必要となる。本プログラムでは、これまでの本研究科における高水準の教育研究体制を維持・充実させるとともに、修士課程及び博士後期課程の学生に対して積極的に海外研修を行わせることにより学生の研究能力の向上に努めるほか、個々の学生の研究成果を前提に、「討論」及び「交渉」に関する授業を3科目新設して、討論等に係る能力の修得・向上を図ることとしている。新設する3科目のうちの1科目は、英語によるディベート科目とし、英語が用いられる国際的な研究大会等においても議論をリードし、あるいは高度に専門的な職業分野において相手方を説得する能力を有する研究者及び高度専門的職業人の養成を行う。

 

 

 また、本研究科は、「アジア研究教育拠点事業」として採択された「東アジアにおける法の継受と創造-東アジア共通法の基盤形成に向けて」プロジェクトを平成19年度より実施している。同プロジェクトとの相乗効果を持たせるため、本プログラムでは、従来のヨーロッパ及び米国志向の発想を発展的に拡大して、東アジア諸国の法学等の研究成果に対しても目を向けることとし、ヨーロッパ諸国に加えて中国・韓国等の東アジア諸国とも積極的に双方向的な交流を行うことにより、「受信」・「発信」・「討論」・「交渉」等において高度な能力を有する研究者及び高度専門的職業人の養成を行う。