一橋大学大学院法学研究科法学部

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グローバル・ロー研究センター主催の欧州競争セミナーを開催しました。(平成30年5月18日)

 平成30年5月18日(金)に、グローバル・ロー研究センター主催の欧州競争セミナーを開催しました。

 このセミナーにはロンドン大学(UCL)のFlorian Wagner-von Papp先生(競争法・比較法専門)をお招きし、日本でも話題になっている、「Google事件をめぐる法的問題」をテーマにご講演いただきました。本学とロンドン大学は協定を締結しており、両大学の交流の一助となりました。「Google事件」とは、2017年6月にGoogleがショッピングサイトのアルゴリズムを自己に有利になるように変更したことがEU運営条約102条に規定されている支配的地位の濫用に当たるとして、欧州委員会が約3000億円の罰金を課す決定を行った事件です。

 講演でPapp先生は、Google事件の実質的な側面と手続的な側面を話されました。EU競争法は、EU運営条約101条~106条の第1次法と合併コントロール理事会規則(139/2004)及びEU運営条約101条及び102条の競争ルールを実施する理事会規則(1/2003)等といった2次法から構成されます。Papp先生は、手続的な側面については、後者の理事会規則1/2003の7条、8条及び9条に焦点を当てられました。当該規則の7条は、違反手続(infringement procesure)、8条は暫定的な措置(interim measures)、9条はコミットメント手続(Commitment procedure)を規定しています。コミットメント手続は、欧州委員会と競争法違反の行為を疑いのある企業間の一種の妥協点をさぐるものとなっています。Google事件においては、はじめにコミットメント手続が開始されましたが、途中で違反手続に変更され、最終的に欧州委員会が上述した決定を行うに至りました。この間に7年と8か月がかかっています。Papp先生は、これらの手続に調査費用、時間などがかかっている点を問題としてとらえられており、これまでほとんど利用されていない8条の利用ないしは8条と9条の間の手続(8.5条)の創設を提案されていました。

 講演後の懇談会では、イギリス離脱の競争法分野への影響についてもお話されました。  


欧州競争セミナーの様子 

 

ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ(UCL)Florian Wagner-von Papp先生
ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ(UCL)Florian Wagner-von Papp先生