一橋大学大学院法学研究科法学部

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海外留学・学内での留学生との交流について

 一橋大学では「一橋大学海外派遣留学制度」「グローバルリーダー育成海外留学制度」「短期海外研修」「海外語学研修」など、長期・短期の様々な海外留学プログラムを用意しています。奨学金制度や単位互換制度も充実しており、多くの学生が留学の機会を得られるよう
 法学部からも毎年多くの学生が派遣留学生として海外留学しています。2012年度には10名の学生が一橋大学海外派遣留学制度により学生交流協定校に半年または1年間の留学をしています(ペンシルヴァニア大学、ミネソタ大学、マギル大学、ブリティッシュ・コロンビア大学、モナシュ大学、北京大学、パリ政治学院、ニューカッスル大学、グラスゴー大学、ケルン大学各1名)。
国際教育センター・国際課ウェブサイトに詳細が紹介されています。まずは、留学までのステップを確認して下さい)。
 また、一橋大学には多くの外国人留学生が在籍しているため、学内においてこれらの留学生と多種多様な交流の機会を持つこともできます。学生交流協定を結ぶ協定校の学生が法学部開講の主ゼミナールに参加することなどもあります。この他、英語で社会科学を学ぶことのできる
HGP(Hitotsubashi University Global Education Program)科目も多数開講されています。

派遣留学経験者インタビュー

牧野愛子さん

牧野愛子さん

2011年度派遣留学生 パリ政治学院留学

一橋大学法科大学院3年生

 私は、如水会派遣留学の機会を得て、フランスで移民政策を学びました。
 この留学テーマを持った動機は、将来、在日外国人の権利や労働問題にかかわる仕事をしたいと思っていたことにあります。外国人の法律上の地位や権利は、移民政策に拠るところが大きく、今後いかなる政策がとられるか、また、とるべきかは重要な問題です。フランスは、移民大国の中では日本と共通するところが多く、参考になると思ったのです。
 留学先のパリ政治学院は、仏国歴代大統領を輩出している、同国屈指のエリート校です。一橋を含む全世界360校と協定を結び、同校の学生と留学生が、将来首脳サミットで再会することもあるのだろう、と自然に思わせる雰囲気を持っていました。
 そんなパリ政治学院のある煌びやかなパリ市中心部から、メトロに15分も乗ると乗客も街の風景も変わります。私が住んでいたパリ北端18区は、北アフリカと呼ばれるほど移民が多い地区でしたが、建物には落書き、清掃は行き届かず、観光客は一人で歩くなと言われていました。一外国人としては、18区の方が馴染みやすく好ましく思っていましたが、地下鉄15分で歴然とした格差があることは確かでした。
 フランスは戦後、旧被植民地国からの移民を「国民」として大量に受け入れましたが、法律上同じ「国民」であるのに事実上の格差が隔たらないことが問題となっていました。この不満が表出したのが2005年のパリをはじめとする都市郊外暴動事件であり、ブルカ禁止法での議論だったのです。他方、日本では「国民」の地位、又は外国人の権利をどこまで認めるべきなのかという法律上の議論が必要とされると思います。
 現在、私は、一橋大学の法科大学院で法曹を目指して学んでいますが、留学経験は、広く社会に貢献できる人材になるために役立つものと思っています。
 第1に、自分自身が外国人となる体験をすることができたことです。将来法曹となったときにかかわる人々は、およそ何かしら困難な立場に置かれている人々です。留学生として安定した地位があるとはいえ、日本では決して経験しない苦労をし、不安を感じ、恥をかきました。自分の無知を知るとともに、この体験から、困難な立場にある人にわずかでもより共感することができるようになったと思います。
 第2に、日本を出て、日本を客観的に見る経験ができたことです。東日本大震災や首相交代のニュースを含め、多くの日本のニュースをフランスメディアを通して得ました。意識している以上に、日本は世界から見られているので、司法制度についても国際社会から理解されるような説明を常に試みてゆく必要性を感じました。また、日本国内の問題解決方法も、自分自身のキャリアの可能性も、世界のそれと相対化することで選択肢を広げることができるのだと感じるようになりました。
 このネット時代に、ぜひ後輩にも、留学を通して、自身の体験でしか得られないものを得てほしいと思います。

宮首夏実さん

2010年度派遣留学生 カリフォルニア大学ロサンゼルス校派遣留学

石油資源開発株式会社

 私が一橋大学に興味を持ったきっかけの一つに、如水会留学がありました。海外生活にはそれまでまるで縁がなく、高校時代は「日本とは違う世界を見てみたい」という漠然とした興味だけでしたが、大学で学部の垣根なく学ぶ中で専攻をアメリカ政治外交史に決めたことから、アメリカで専門性を深めたいという思いが募り留学を決意しました。
 現地では、心理学や意思決定理論を用いてアメリカ政治史を分析する授業を中心に勉強をしました。歴史という一つの事象に対するアプローチにも様々な分析手法があり、日本では学べない豊富なアプローチの一端を学べたことが大きな収穫でした。また、趣味のサックスを活かして、現地人200人超で構成されるマーチングバンドにも所属しました。カレッジフットボールやマーチングショー等、日本では全く存在を知らなかったアメリカの文化にどっぷり浸かり、日本人とは異なる価値観を持つ人々の中での暮らし方・存在感のアピールの仕方を身につけることができました。そのような生活の中で、留学前は政府関係の仕事を希望していましたが、ビジネスを通じて日本・相手の国双方に利益をもたらす形での国際交流を進めてみたい、と感じるようになり、民間企業への就職を希望するに至りました。
 現在はエネルギー業界の中でも上流にあたる石油開発会社でプロジェクト管理に携わっています。多種多様に亘る業務の中で、例えば、プロジェクト子会社内での業務プロセスの策定を考える際には政府内での意思決定システムをひたすら追いかけた留学時代に身につけた考え方が、その結果を先輩社員に報告する際には「いかに自分の考えをわかりやすく伝えるか」を徹底的に学んだ一橋のゼミでの経験がそれぞれ役に立っていることを実感します。また、2013年冬にはカナダの現地事務所に研修へ行く機会を頂きました。現地スタッフや外部コンサルタントとやりとりをしながら仕事を進めていますが、このような機会を頂けたのも、現地事務所にすぐに溶け込むことができたのも、留学時代に培ったコミュニケーション力と北米での生活や文化に対する理解が背景にあったからだと感じています。今後は、語学力により一層磨きをかけつつ、ビジネスの場に打って出ていくための専門性を身に着けることが一つの目標です。