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事業概要
本事業の概要について
2007年度活動の概要
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2007年度セミナー
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研究報告要旨
更新日:2007/10/08
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 本事業は、一橋大学大学院法学研究科が、日本学術振興会の委託にもとづいて、中国人民大学法学院および釜山大学校法科大学との強い連携のもとに、2007年度から5年間の予定で行われるものです。

1. 問題意識と目標

 東アジアに位置する日中韓3国は、それぞれ固有の歴史の上に、近代以前は中国の法文化の影響を受けた東洋法としての緩やかな共通性を有し、また近代以降は、濃淡に差はあるにせよヨーロッパ法を採り入れてきました。第2次世界大戦後の国家再建期においては、各国の独自性が強まりましたが、日韓両国が経済発展を遂げ、また改革開放後の中国も市場経済を急速に発展させる中で、再び共通面が増加してきています。国際経済がグローバル化する一方で、EU経済圏や北米経済圏のような経済の地域圏化も進行し、東アジアについても、端緒的ながら、同様の動きが見られるようになり、「東アジア共通法の形成」問題が課題として意識されるようになってきました。

 本事業5年間の目的は、今後長期にわたって論じられることになるであろう、以上に述べたような、「東アジア共通法の形成」という実践的課題を遠望しつつ、この問題を学問的に考察するための大前提として、「東アジアにおける法の継受と創造」に関する研究および教育を行うことにあります。具体的には、研究上の目標は、次の3つの柱から構成されます。すなわち、(1)日中韓における西欧法継受の歴史研究、(2)日中韓3国の法の現状分析、(3)東アジア共通法の基盤形成に向けての提言。以上の研究を遂行する過程で、当該問題を将来にわたって持続的に研究し実践する若手人材を多く養成することを教育上の目標とします。

2. 組織体制

(1) 一橋大学大学院法学研究科
実施組織代表者: 盛 誠吾(法学研究科長)
コーディネーター: 水林 彪(法学研究科教授・一橋大学日本法国際研究教育センター長)
学内協力機関:一橋大学大学院国際企業戦略研究科
(2) 中国人民大学法学院
拠点機関::Renmin University of China
コーディネーター:Law School・The Acting Vice Dean of Law School・Han Dayuan
(3) 釜山大学校法科大学
拠点機関:Pusan National University
コーディネーター:College of Law ・Professor Dean・Kim Sang Young

3. 研究プログラム

(1) 第1ステップ(2007年度)
日中韓3国(以下単に「3国」という)のそれぞれの国内で蓄積された、「東アジアにおける法の継受と創造」や「東アジア共通法の基盤」に関連した研究成果と、3国外で発表された関連研究を調査して、従来の研究の到達点を確認すると同時に、その問題点と不足点を整理し、今後の研究の具体的方法を検討します。
(2) 第2ステップ(2008年度)
3国が19世紀以降、近代西洋法に直面せざるをえなくなったとき、各国がどのような反応を示し、西洋法のうちどの部分が継受され、それが各国固有の事情のもとでどのように変容したかを、基礎的法原理(法の支配、私的自治など)、公法、私法、司法制度、法曹教育などのテーマごとに研究します。
(3) 第3ステップ(2009年度)
時間的な視点を第2次世界大戦後に置き、2国におけるそれぞれの法の発展と相互交流について、上記の個別テーマごとに研究します。
(4) 第4ステップ(2010年度)
第1から第3ステップまでの成果をふまえ、3国における法の現状を分析し、それぞれの共通性と異質性を確認します。
(5) 第5ステップ(2011年度)
第4ステップで確認した共通面と異質面の認識を基礎に、東アジア共通法の基盤構築の可能性を探り、そのことにむけた3国間の協調・相互交流のあり方を検討し、具体的な提言を行います。

4. 日中韓の共同研究の3つの形式

(1)セミナー
原則として毎年1回、上記「研究プログラム」の項で述べた研究課題を主テーマとして、シンポジウムを開催します。第1、第3、第5ステップの開催校は一橋大学、第2ステップは中国人民大学、第4ステップは韓国釜山大学校を予定しています。
(2)準備会議
セミナー準備のための研究者交流 セミナーを成功させるために、必要に応じて、3国の関係者がセミナー準備会議などを開催します。
(3)共同研究会
3国のいずれかが、随時、個別テーマを深めるための研究会を組織します。